初版 秋号

人間の才能は、絶対に生まれつきではない。環境だと言われています。
 今日の青少年を取りまく社会、家庭環境は、このままでよいのでしょうか。
 本気になって考え、改善すべきことには積極的に取り組みましょう。
 日本の将来を憂いて政治、社会、教育家庭が悪いと嘆いていても改革されません。
 そこで、私たちは人間として如何に生きるべきか、真剣に考えていきたいと思います。

 振り返れば、1970年代から、なんでもお金で考える方向に、日本人全体が行ってしまったことにも問題があるように思われます。
 原点は、やっぱり家庭のあり方を見直さなくてはいけないのではないでしょうか。



家庭
A氏= 家庭は、本来子供にとっては「遊び」「学び」「労働」が一体となった場であるはずだったのです。しかも、お金のことなど考えていません。
 この頃の子供たちはどうでしょう。遊びは、ゲーム、パソコンなどが主流です。
 家庭学習は、月謝を払って塾へ行き労働は報酬の発するもの、アルバイトと考えています。しかも、家庭の存在意識は、バラバラになっていまっていると思いますが、如何でしょうか。
B氏= やっぱり子供の教育は、家庭から出発しているのですよね。
 「三つ子の魂百まで」と言われるんじゃありませんか。特に生後の0歳から3歳までは、母親から受ける安心感というか、安全感を土台として、人間として成長していく基礎作りだと教えられてきましたから。
D氏= そうですよ。静岡県でも「意味ある人をつくるために」で提言されていますよ。(平成13年度から)
 「子供と家庭」の中に、美しいしつけとして、明るく美しい挨拶をしていこうと、八つの言葉を、笑顔ではっきりと−−−−。
・おはよう ・いただきます ・ごちそうさま ・いってまいります
・ただいま ・おやすみなさい ・ごめんなさい ・ありがとう
以上を、全家庭に呼びかけていますね。この当たり前のことを反省して、できることから始めましょう。
C氏= そうですね。この機会に、家庭のあり方を見直し、人間関係を充実させる場として、一家団欒での食事をできるだけ多くとれるよう努力したいね。

手伝い
B氏= 家庭の中から「お手伝い」という言葉も消えていますね。親の声は、勉強、勉強だけですから。
 本当は「お手伝い」は、子供にとって家族を通して人間関係の基本を学ぶチャンスですし、生活の知恵を、親や祖父母から直接学ぶ場でもあるのですが−−−−。
C氏→K子さん、お手伝い何かしている。
K子→夜、時々お茶碗洗いするよ。
C氏→えらいじゃん。庭の草取りなんかやらない。
K子→やらないよー。つかれちゃうもん。
C氏→それじゃあ、草取りは誰がやるの
K子→おばあちゃん。
C氏→おばあちゃん一人じゃ大変じゃないの。
K子→いいよ。時々おじいちゃんもやるから。
C氏→でも大変だよ。K子さんのお兄ちゃんいるでしょ。手伝わないの。
K子→部活や塾で忙しいでやらないよ。
C氏→お父さん、お母さんはどうですか。
K子→他のことが忙しくてやっている暇などないと思います。

目と目
S氏= スーパーに買い物に出掛けた時のこと。三人の元気のよい兄弟が、バタバタと走り回っていた。
 騒々しいなと思いながらも、一番後ろにくっついていた三歳位の男の子の目と合い、私はニコッと微笑みかけた。それだけのことである。
 2〜30分後、買い物を済ませ、駐車場を向かおうとすると、先ほどの男の子が出口の所で立っていた。私がまた、その子に微笑むと、その子は手を振って応えてくれた。
 (私を覚えていたんだ)と思いつつ車に乗り込むと同時に、その子は突然泣き出した。
 何かあるなと思い、再びその子に駆け寄り、
 「どうしたの。お母さんやお兄ちゃんは?」と尋ねると、一言
 「いない。」と答えた。
 助けを求めるシグナルだったのだ。私は、そっとその子の手を引き、店内に戻り、無事母親に引き渡すことができた。

目を見る。
 大人同士の場合は、厄介なことになることもあるかも知れない。
 しかし、子供にとっては、自分をみていてくれる人がいるという安心感にも似た気持になるのではないか。

 また、中学校の挨拶当番で、街頭に立ったとき、何気なく声をかけたところで、生徒からの返事はあまり期待できない。一人一人目を合わせ、「おはよう」と言えば、元気のよい挨拶が返ってくることを実感した。

 私たち大人は、
 「あなたを見ているよ」
 「応援しているよ」
 と、目を見て伝えなくてはね。

万引き
K氏= スーパーといえば万引きがありますね。先日、私が○○スーパーに行った時のこと。若いお母さんが、三歳位の子供の手を取って、店内を回っていた。
 ふとお菓子のある所でお母さんは、小さなお菓子をつかむや、すぐ子供のポケットの中に入れた。気になったので、そっと、その人の行動を見て回った。
 そのお母さんは、買い物かごに入れる物と自分の手提げ袋に入れる物と分けて入れていた。
 レジでどうするのかなと引き続き見ていると、やっぱり買い物かごの中の物だけ出して代金を払って店から出て行こうとした。

 私は勇気を出して、
 「ちょっと奥さん、良心がとがめませんか。」と言ってやった。
 「別に。」と言って帰ってしまった。
 私は店の中に戻って買い物を済ませた。店員さんに、
 「万引きはありませんか。」と尋ねると、
 「困っています。」との返事、さらに
 「近頃の人は、ずうずうしいというか巧妙ですからね。」

H氏= 近頃犯罪の低年齢化が言われていますが、それだけではありませんね。新聞に載っている事件は、小学生からお年寄りまで幅広くなってしまいましたね。
 大変な世の中ですけれど、だからといってそのまま放置しておいて、世の中がよくなるわけはありませんね。できることから呼びかけなくてはね。
 お父さんお母さん、善悪の判断力は小さい時から厳しく教えていかないと後悔しますよ。
D氏= 親が育っていないんだから、子供が育たないのは当然。
 子供を育てると同時に、母親として父親として育たなくては。
 子供が三歳ならば、親としての年齢も三歳ですから。
S氏= 叱り方とほめ方も勉強しなくてはね。お母さん、やたらと手を出している例が多いようですから。



磐田ライオンズクラブは、地域社会の環境、福祉、青少年の健全育成向上のために活動しています。

 そこで、次号は、子供への愛をどのように伝えたらよいかなど考えてみたいと思います。
 ご意見、ご感想をお待ちしています。

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